著名人コメント紹介 村上 敬一 様 

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「アヴァロンの鍵」20周年、並びに「アヴァロンの鍵 20周年トークライブ」の開催おめでとうございます。

本作の面白さについては、会場の皆様の方がよくご存知だと思いますので、「ゲームセンター(運営側)から見た『アヴァロンの鍵』」という視点で少しばかり語らせていただきます。

 

本作が登場した2003年は「ダービーオーナーズクラブ」や「WCCF」の大ヒットにより、店舗に『マルチターミナル』ゲームが急増した時期。その中でヒットメーカーが贈る『TCG+ボードゲーム』というアーケード初の試み、かつ“ファンタジー世界”を題材にしたタイトルに、ゲーム好きの店舗スタッフから大きな期待を寄せられていました。

実際、稼働直後の本誌「インカム貢献度ランキング(大型ビデオゲーム部門)」でも登場即1位を獲得。
上々のスタートを見せましたが、同時に「WCCFと比べるとプレイヤー層の幅が狭まっているが、その反面カードゲームやRPGなどに慣れているユーザーへの訴求効果が非常に高い」(月刊アミューズメント・ジャーナル 2003年9月号より)と、プレイヤーの集まる店舗と集まらない店舗が分かれる課題は、稼働初期から見受けられました。

また、強いプレイヤーが遊んでいると、その人が終了するのを待つような光景に店舗側が悩む姿も見られました。

そして、翌年に「Quest of D」、05年に「三国志大戦」、「0079カードビルダー」、06年に「戦場の絆」と次々に歴史に名を刻むヒット作が稼働。
「アヴァロンの鍵」はそうした歴史の影に埋もれてしまった面は否めませんが、「Ver.2.5 鍵聖戦」の頃には「今が一番バランスも取れて完成度も最高。今からでも始めるべき」という声も店舗から聞くことができました。

TCG+ボードゲーム、いつでも途中参戦という斬新な要素が武器でもありつつ、斬新かつ練りこまれたルールが故に店舗・プレイヤーを選んでしまった名作。カードゲームに慣れた人が増えた以降に登場していれば、また違った動きを見せていたかもしれません。
ですが、本作から生まれた要素は後のタイトルへ着実に引き継がれました。

 

これからも「アヴァロンの鍵」が皆様の心に生き続けるよう、また本作の系譜に連なるような新作が登場するよう、お祈り申し上げます。

 


 

業界誌「アミューズメント・ジャーナル」の編集者。
アヴァロンの鍵誕生と同じ年の2003年から、アーケードゲームとゲームセンターの最前線を追いかけています。
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